ラジオを聞いていたら、何かのコマーシャル(防腐剤?、殺虫剤?)で、ヒノキチオールという言葉が出てきて、私はちょっとびっくりした。
ヒノキチオールは、非ベンゼン系の七員環化合物である。ヒノキ科植物などの精油から分離され、抗菌作用を持つ。アスナロなどの植物が腐敗しにくいのは、この成分によるそうだ。
ヒノキチオールを抽出し、その構造が、炭素の七員環化合物であることを明らかにしたのは、野副鉄男博士である。いわゆる非ベンゼン系芳香族の発見。ちなみにベンゼンは六員環。
野副先生の業績は高く評価された。
私は大昔、東北大学理学部化学科に勤務していた。そこは野副先生が長く教授をされていたところである。私が赴任した時には、先生はもう定年退職されていたが、野副先生のお弟子さんがたくさんおられた。
私が勤務した講座(生物有機化学)も、野副先生の業績のおかげで出来たと聞かされた。