今日は少し涼しい話から始めよう。風鈴は夏の風物詩だ。風鈴には、鉄製のもの、ガラス製のもの、陶器のものなどいろいろある。それぞれ音色がちがう。軒先につるしておいて、時々吹くそよ風に涼しげな音を出す。これはいい。でも、マンションのベランダの風鈴は、「うるさい」と言われ、喧嘩になることがあるそうだ。風鈴にとっては、風が吹かないと困るし、強すぎても困る。風まかせだ。
 風というのは、気ままに吹く。気ままの象徴である。映画「男はつらいよ」の中では、寅さんが、風を見て旅の行き先をきめるシーンが、何度も出てくる。
 大昔、私は西部劇映画のファンだった。「捜索者」というジョン・フォード監督の作品が気に入って、主題歌のレコードを買った。レコードを買うなんてめったにしないことだったけれど。
 「捜索者」の主題歌のレコードの裏面に、「Wayward wind」という歌が入っていた。低音の男性歌手、テックス・リッターが歌っていた。wayward というのは「気まぐれな」とか「方向が定まらない」とかいう意味だ。風まかせに旅をする男の歌だった。アメリカ版の寅さんかな。
 もっとも、寅さんは女性に恋をしては振られるが、wayward wind の主人公はもてるらしくて、彼が旅に出てしまい、残された女性が悲しむ様子が歌に出てくる。
 風は気ままなもの。それで一番困るのは、風力発電かなあ。

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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