詐欺師をテーマにした、テレビドラマはたくさんある。面白いので、私はよく見る。自分が被害にあわなければ、詐欺行為は頭脳が勝負で面白い。ドラマでは、詐欺師は実に巧妙な手段を考えて人をだます。被害者はたいていお金持ちで地位があり、しかも悪い奴だ。年寄りではない。見ている方は騙されていい気味だと思う。
 でも、現実の世界はそうではない。被害者の多くは高齢者だ。困ったことだ。
 以前「オレオレ詐欺」というのが流行したことがある。私の家にも電話がかかってきた。息子に扮した男が「風邪をひいているから、声がおかしいけれど」といった。それから、「女性を妊娠させてしまった」という。5百万円を用意してくれと言った。
 「うちの息子に限って・・・いや、もしかしてあるかもしれない・・・」 みんなそう思ってしまう。しかし、その時、息子はアメリカに留学中だった。これは変だと気がついて、「今どこにいるのか」ときいた。「もちろん、埼玉だよ」とその男は、ちょっとうろたえて答えた。これでバレた。でも危なかった。
 今は、みんなが気を付けるようになって、ATMの前に老人がウロウロしていると、心配して声をかけてくれる。しかし、相手もさるもの、手口も巧妙になっているようだ。それで被害が絶えない。
 街でも時々放送している。「キャッシュカードなどは渡さないでください。」
 困ったことだ。

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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