かみさんの物忘れが心配で、息子が介護保険の要介護・要支援の認定を申請した。申請から1か月たって、ようやく市役所の方が調査に来た。
コロナ感染防止で、「ポムポム川の辺」も外部の人の立ち入り禁止だが、さすがお役所の人は特例で、部屋まで来ることができた。同席する息子も入ってくることができた。
1時間ぐらいかかるので、そのつもりでというお達しがあった。
まだ若い女性の方だ。
私と息子は、ちょっと複雑な心境だった。かみさんの状態は軽い方がよいにきまっているが、一方では要介護認定をしてもらった方が、サービスをいろいろ受けられて好都合なところもある。
たとえば、こんなことがあった。ある日、お風呂場でかみさんが入浴した時、何か変なことをしてしまったらしい。介護士さんがそれを見つけて、私に言った。「奥さんは要介護か要支援の認定を受けていないから、あたしは助けてあげられない。だから、はやく認定をもらってください。」
一方、かみさんはプライドがあるから、要介護認定などされたくない。それがひしひしと伝わってきた。
調査員の人がいろいろな質問をした。「名前は」「生年月日は」からはじまって、「ご飯が炊けるか」「お漏らしをするか」「足はまっすぐ伸びるか」・・・・
それから私もかみさんの「物忘れ」の状態をきかれた。かみさんが隣にいるのでなかなかしゃべりずらかった。
調査は15分ぐらいで終わってしまった。
調査結果はもと住んでいた場所の市役所に送られて、そこで認定するのだそうだ。
まだ認定結果は来ていない。
かみさんは「私は全部、まともに返答できた」と満足気だった。