息子に会うと、かみさんは愚痴を言う。いろいろ愚痴を言う。息子は黙って聞いている。そして、別れ際に言う。「もっと楽しんでよ。人生、楽しまなくっちゃ」
 かみさんは、「楽しいことなんかない」と、ぶつぶつ言っている。
 私の好きな漫画「いじわるばあさん」に、ばあさんが、いじわるをした後、「年を取ると、楽しみが少なくなるからね」と、いじわるの言い訳をする場面があった。
 たしかに、年を取ると、楽しみが少ない。
 「楽しみは、後ろに柱、前に酒、左右に女、ふところに金」という有名な狂歌がある。しかし、年を取ると、この中で当てはまるのは、「後ろに柱」ぐらいだ。金はないと困るが、ふところにあっても、それが楽しみというものでもない。はじめはそう思った。
 「後ろに柱」は安全・安心のことだろう。老人にとってはこれが第一。
 まさしく、老人ホームに入るのは安全・安心のためだ。しかし、ホームに入るのには、お金がかかる。ホームの中で、なにかサービスを受けようとすると、またお金がかかる。一割負担とか、3割負担とか言っても、やっぱりお金がかかると、やめてしまうことが多い。
 そうすると、安心・安全も、お金次第ということになる。
 私の、いまの楽しみは、このブログに書くことだ。何を書こうか、考えるのが楽しい。うまく書けた気がしたときは、気分がいい。コメントが来るとうれしい。しかし、ちかごろ、外国語の変なコメントがたくさん来るようになった。意味不明のものもある。怪しげな薬を買えというのもある。たとえば、バイアグラを買わないかというのもきた 。
 有害コメントをブロックするという仕掛けが備わっているはずなのだが、すりぬけるらしい。
 いまのところ、寝たきりにならず、暮らしている。かみさんの物忘れも、進行してはいないようだ。考えてみると、二人で無事に暮らしていることが、”楽しみ”かもしれない。
 天の声「その通り。感謝しなさい」
 

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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