眠気覚ましといえば、まずコーヒーが頭に浮かぶ。もっとも、私はあまりコーヒーは飲まない。苦味がいやというのではなくて、胃に負担になる気がする。喫茶店では紅茶を頼む。
眠気覚ましといえば、大昔、ある小さな企業の社長さんが研究室にやってきて、檳榔樹(びんろうじゅ)の話をした。
檳榔樹はヤシ科の常緑高木である。マレーシアなど熱帯地方では、檳榔樹の実を、噛む習慣があるそうだ。
熱帯地方は何しろ暑くて、体がだるかったり、眠かったりして、労働がつらい。そこで、みんな檳榔樹の実を噛んでいるという。檳榔樹の実になにか有効成分が含まれているのだろう。
その社長さんが言うには、日本の夏も暑い。そこで、日本人も夏は檳榔樹の実を噛みながら働くのがよいのではないかというのだ。要するに、檳榔樹の実を売り出して儲けようということらしかった。
この話がその後どうなったかは知らない。
老人には眠気覚ましは要らない。眠たければ昼寝をすればいいのだからなあ。