痛風の患者さんが増えているそうである。新型コロナウイルスの感染拡大で、家に閉じこもり、運動不足の人が多いからだという。
 痛風は、血液中の尿酸の濃度が高くなり、その結果、尿酸の結晶が関節などに沈着したためにおこる。足の親指の付け根などが腫れて、針で刺されたように痛くなるそうである。
 尿酸は、DNA、RNAの構成成分であるプリン誘導体(アデニン、グアニン)の代謝で生ずる。それゆえ、核酸を多く含む食べ物を食べすぎるとよくない。しかし、ほとんどの食品には、核酸が含まれているから、要は食べ過ぎないことだそうだ。
 では、血液中の尿酸は、悪者かというと、必ずしもそうではない。尿酸は、強い抗酸化作用を持っているからだ。諸悪の根源といわれる活性酸素から、守ってくれる。血液中の尿酸の濃度は、抗酸化物質の代表格のビタミンCよりも数倍高いそうだ。尿酸は血管内皮細胞の機能維持に、とても大事なのだと、認識されだした。
 血液中に高い濃度の尿酸が存在するのは、人間のほかには、霊長類のゴリラやチンパンジー、イヌの仲間のダルメシアンだけで、他の哺乳類は、尿酸をさらに代謝してしまう。
 一方、人間と霊長類、それにモルモットは、ビタミンCを合成することができない。ほかの哺乳類は、みなビタミンCを合成できる。
 つまり、進化の過程で、抗酸化物質として尿酸を使うか、ビタミンCを使うかの選択があったらしい。
 尿酸のもとはプリン誘導体で、摂りすぎるなとよくいわれる。
 一方、プリンと呼ばれている食べ物もある。まぎらわしい。
 プリンは、本当はプディングというお菓子だ。プリンは言い間違えで、お菓子メーカーさんは、今からでも訂正した方がいい。プルン、プルンしているからプリンという説もあるが、それではプリンじゃなくて、プルンでしょう。
 まあ、どうでもいいけれど。
 天の声「ホント、どうでもいい」