「水を飲みなさい」と、ラジオやテレビが、しょっちゅう言っている。熱中症の対策である。特に老人は、のどの渇きに鈍感なので、絶えず水を補給しなさいとのことである。ついでに、エアコンも適切に使えという。ちょっと前は、節電しろと言っていたのに、がらりと変わってしまった。
老人ホーム「ポムポム川の辺」の壁には、「水を飲みなさい」のキャンペーンのポスターが貼ってある。二人のじいさんが、「自ら健康に、水から健康に」と訴えかけている。「ミズから」のダジャレポスターだ。
しかし、老人より若い人の方が、よく水分をとっているように私には思える。街の中で、若い人は、たいてい水やお茶などの飲料の入ったペットボトルを持ち歩いている。
私が若いころは、水のビン詰めをお金を出して買うなんて、考えもしなかった。ヨーロッパの国では、よい水が少なく、水道水もまずいから、ビン詰めの水を買うけれど、日本の水はおいしいから買う必要がないと聞かされた。
実際、東京の水道水はとても良い水である。おいしい。冷やして飲めば、ミネラルウオーターと区別がつかないそうだ。私もそうしている。水道水を冷蔵庫で冷やしておいて、ウイスキーの水割りをつくっている。
しかし、集合住宅の水は、直接、水道管からやってくるわけではない。いちど、タンクにためてから、各戸に、送られるのがふつうである。もしも、タンクの中が不潔なら、きれいな水道水も汚れてしまう。もしも、タンクに消毒剤をいれていたら、その薬を飲んでしまうことになる。
気にしだすとキリがない。
天の声「浄水器をつければいい」