老人ホーム「ポムポム川の辺」に入っても、私は新聞をとっている。夕刊だけだけれど。入居者で新聞を購読している人はわずかである。
 私も別にとりたくはなかったのだけれど、引っ越し業者が、6か月、新聞をとると引っ越し料金がかなり安くなるというので、とることにした。
 私は昔ほど新聞を読まなくなった。老眼がひどくなって、細かい字を見るとすぐに疲れてしまうのが 主な理由だが、新聞記事にもあまり興味がなくなってしまった。もちろん、年を取って、社会の動きに関心がなくなってきたせいもあるが、それだけではない。
 ニュースなら別の手段で知ることができる世の中になったからだ。それも新聞よりもずっと早くにである。私は、ニュースは、大抵インターネットのヤフー・ニュースで知る。この方が手っ取り早い。
 でも、ヤフー・ニュースは、誰が、どのようにして、ニュースを選択し、ならべる順番を決めているのだろうか。ちょっと気がかりであるし、信頼度はいまひとつである。
 新聞の記事自体にも、言いたいことがある。新聞社という会社の都合が優先されているように思う。たとえば、自社が関係している行事は大きく、都合よく報道する。高校野球ぐらいならいいけれど、オリンピックは問題だ。世論はオリンピック中止の声が圧倒的に大きいのに、新聞はそうでもない。新聞社が、オリンピックのスポンサーになっているので、反対とは書けないのだという話を聞いた。
 私企業だから、それも仕方ないという。しかし、利益を追求しなくてもよいNHKだって、自分に関係していることを、すごく宣伝している。マスコミの本質なのかな。
 新聞もNHKも、もっと頑張ってほしい。いまでは、影響力から言うと、「文春」に全然かなわないではないか。