外国の映画やドラマを見るとき、字幕の方がいいという人もいれば、吹替の方がいいという人もいる。私は、字幕の方が好きだ。
なぜかといえば、外国人、とくに西洋人が日本語をしゃべるのには違和感を持ってしまうからだ。きっと古い感覚なんだと思うけれど、しかたがない。
大スターの俳優の場合は、その人の声が聴きたい。ジョン・ウエインなら、あの低い声がいい。彼が日本語でしゃべる西部劇なんか見たくない。マリリン・モンローなら、彼女の声が聴きたい。
登場人物のイメージがきまっている場合もそうだ。シャーロック・ホームズが日本語をしゃべってほしくない。007も日本語では、しっくりしない。
でも、本当は物理的な理由が大きい。映画やドラマを、私は、すべて家で見る。つまり劇場で見ない。家で見るときには、あまり大きな音で見るわけにはいかない。音量をしぼって見る。そうすると、声の小さなセリフが聞き取れなくなる。だから、字幕の方がいい。単純な理由だ。
ひどい吹替の作品もある。この間見たドラマでは、セリフと口の動きが、完全にズレていた。めったにないけれど、幻滅だ。
しかし、セリフの吹き替えをする声優さんが、今とても人気があるそうだ。特にアニメの吹き替えをやる人は、人気があるらしい。世の中、変わってきたものだ。
私は、声優とは、俳優になり損ねた人がなるのかと思っていた。認識が誤っていた。今では、声優は、俳優並みの人気があるようだ。
でも、私は危惧している。そのうちに、吹替は、AIがとってかわり、声優さんの仕事がなくなってしまうだろう。
天の声「余計なおせわだ」