私は音痴だ。音楽を聴くのは好きだが、人前で、歌うことは出来ない。カラオケに行ったことはない。子供の頃、音楽の授業はイヤでイヤで、たまらなかった。特に、学期末に、一人ひとり歌わされることがあったが、地獄だった。
 しかし、私が大学の研究室に入って、指導を受けた石本真先生は、音楽好きだった。特に、合唱が大好き。仲間を集めて合唱を楽しんでいた。
 石本先生の世代は、戦争中から終戦直後にかけて学生だった。男女の交際が、思うようにできない時代では、混声合唱は、男女交際の数少ないチャンスの一つだったそうだ。野田春彦先生(この方は元祖”コラーゲン博士”、つまり、日本の学界にコラーゲンを広めた)も、ほぼ同年配で、石本先生が、女子学生や女子職員を集めて合唱しているのを、うらやましく思ったと、どこかで書いておられた。
 音痴な私は、中学の時の音楽の授業が嫌いだった。一人で歌うのはイヤだったが、合唱となれば、口をパクパクして、歌っているふりをしていればいい。先生には、バレていたかもしれないけれど。そうやって過ごしていた。
 ある日に授業では、滝廉太郎の「花」を歌うことになった。この歌の一節に、「われさしまねく あおやぎを」というところがある。女性が歌うパートである。
 私のクラスには、青柳君という男の子がいた。大勢の女子が、声をそろえて「われさしまねく あおやぎを」と歌う。青柳君は真っ赤になった。あの時は面白かった。
 天の声「真面目に授業を受けなさい」
 

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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