学校の音楽教室には、たいていえらい音楽家の肖像画が展示されている。バッハ、ハイドン、モーツアルト・・・そしてもちろんベートーヴェンの肖像画もある。
肖像画のベートーヴェンは気難しい、怖い顔をしている。何故怖い顔をしているのか?いろいろな説があるようだ。
まず、ベートーヴェンは肖像画を書かれるのを嫌がっていたらしい。だから当然不機嫌になった。
また、ベートヴェンは気難しく癇癪持ちだったそうである。食物にこだわっていて、卵料理が好きだが、料理がまずいと言って、家政婦に卵料理を投げつけたこともあった。マカロニも好きだが、マカロニが茹ですぎたとか、のっているチーズが少ないとか言って怒ったりした。そんなベートーヴェンだから、肖像画を描くとあんな顔になった。
映画「男はつらいよ」シリーズの一つに、「寅次郎恋愛塾」というのがある。その中に、司法試験のために猛勉強中の青年が出てくる。とても堅物の青年で、寅さんが恋愛の指導をするのだが、彼の勉強部屋の壁に肖像画が貼ってあった。あれはベートーヴェンだと思う。
ベートーヴェンの怖い顔に見られていると、サボるわけにいかず、勉強がはかどると青年が考えた・・・そんな設定で、山田洋次監督はあの肖像画を置いたのかなあ?