コラーゲンの摂取効果がコラーゲン由来のペプチドによるという仮説をいろいろ考えていた時、ある研究所のセミナーで佐藤健司博士の話を聴いた。佐藤博士は、当時京都府立大学の教授だった(今は京都大学教授である)。
 この時の衝撃というか感動は、忘れられない。佐藤博士は、コラーゲン(ゼラチン)をボランティアに与えたのち、血液を採取して調べた。そうすると、ヒドロキシプロリン(コラーゲン特有のアミノ酸)を含む小さなペプチドが血液中に見つかった。つまり、コラーゲンを摂取すると、すべてがアミノ酸にまでばらばらに分解されるわけでなく、小さなペプチドの形で体内に吸収されることがわかった。特にプロリン―ヒドロキシプロリンがたくさん見つかった。
 しかも、プロリン―ヒドロキシプロリンというペプチドは、培養した細胞で実験すると、細胞を引き寄せたり、ヒアルロン酸の合成を促進する効果があることがわかった。
 つまり、コラーゲンを食べると、特別な小ペプチドの形で体内に吸収され、その小ペプチドが特別な生理活性を持つことが明らかになったのである。
 私は「これだ!」と思った。これでコラーゲンを食べたときの効果が説明できる! それから、私はコラーゲン食品のファンというか応援団の一員になった。
 本当をいうと、私はサプリメントとして、コラーゲンがどのくらい有効なのかにはあまり関心がない。コラーゲンに生理活性ペプチドが内在していて(クリプティック・ペプチドという)、それが切り出されて活性を発揮するというところに、新しいコラーゲン・サイエンスの誕生を感じて興奮した。