鈴木義之さんが考案したシャペロン療法が、いま医学界で話題になっているという、メールを受け取った。鈴木さんは、私が大学の教養課程の学生だった頃のクラスメイトで、メールの差出人も、クラスメートだった人だ。
 鈴木さんは、医学部に進学し、小児科医になった。いまは東京都医学総合研究所の特別客員研究員だそうだ。
 シャペロンとは、本来は「社交場に出る未婚の若い女性の介添えをする中年女性」をいう言葉だそうだ。ずいぶん前に、分子生物学で、ポリペプチド鎖が正しい立体構造をつくるのを助けるタンパク質として発見された。その時は、分子生物学や生化学では、大変話題になった。
 シャペロン療法のシャペロンは、低分子の物質である。ここが、薬剤として使える重要な点だろう。
 酵素などのタンパク質が、遺伝的な原因などで、正しい立体構造がつくれず、機能をうまく発揮できないために起こる病気がある。そのような時、適当な物質を薬剤として投与すると、正しい立体構造をつくれるようになり、機能が回復し、治療につながるというものだ。
 たとえば、ファブリー病という病気がある。遺伝子の変異によって、糖脂質の代謝に必要な、アルファーガラクトシダーゼという酵素がつくれなくなり、糖脂質が過剰に臓器や血管に蓄積し、腎機能や心疾患などを生ずる。難病の一つだそうだ。
 鈴木さんは、ある低分子化合物のシャペロンを患者に投与することで、ファブリー病に治療効果がみとめられたことを報告した。
 そうしたら、大変な反響を呼んだそうだ。このアイディアが、他のたくさんの病気にも応用できる可能性があるからだ。
 確かに、面白いアイディアである。感心した。
 昔の同級生が、よい研究をしたのはうれしいことだ。しかも、高齢になってからの研究だから、すごい。
 もっとも、鈴木さんとは、何十年も会っていない。
 天の声「爪の垢をもらって、煎じて飲みなさい」


 

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です