シクラメンは、サクラソウ科の鑑賞用の多年草である。柄の長いハート形の葉には、白い斑点があり、裏面は、光沢のある赤紫色をしている。春に花が咲く。花弁は5枚、白または紅色で、下向きに開く。
 シクラメンの鉢は、新年用として栽培される。私が、以前勤めていた農学部でも、農場で、シクラメンの鉢植えを栽培していて、年末になると、販売していたりした。
 ある日、私が出勤すると、部屋にシクラメンの鉢が置いてあった。「アレー、だれかくれたのかな」と思っていたら、やがて、女子学生がやってきて、持っていこうとした。事情を聞くと「農場で鉢植えを買ったのだけれど、自分の机に置いておくと、男子学生にいたずらされる。教授室においておけば、安全だから」と答えた。へえ、私の部屋は、そんなふうに役に立っていたのか。知らなかった。
 歳時記を見てみると、シクラメンを読んだ句が、いくつも紹介されていた。春の季語だそうだ。
      市に来て何時もある花シクラメン       小橋やうゐ
      アトリエの赤は目立たずシクラメン      脇 収子
      むきあえばめくじらとれてシクラメン     倉田たへ子
      上州の気質と見たりシクラメン        田沼文雄
      シクラメン置いて脱兎のごと去りぬ      鈴木栄子 
 もうすぐ、今年も終わる。そして、新しい年が来て、春が来る。老人ホームにも、春が来る。
 天の声「ちょっと、気が早すぎないか」

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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