先日、道を歩いていたら、向こうから若い女性がやってきた。知らない人だ。何かしゃべっている。連れはいない。すれちがうときに、「送別会に行く?」と言った。私は自分に話しかけられたのかと思って、ドキッとしたが、その人はそのまま行ってしまった。どうやら電話をかけているらしい。でも、電話機が見えない。どうなっているのかなあ。
 昔なら、大きな声で独り言をしゃべっている人を見ると、「ああ、気の毒に頭がちょっとおかしいんだ」と思った。いまはちがう。街で、一見独り言を言っている人をよく見かける。
 電話はどんどん進歩して、様変わりした。どんな仕組みか知らないが、電話機を持っていないように見えるのに、電話を掛けられるらしい。
 技術の進歩はすごい。そのうち、声を出してしゃべらなくても意思が伝わり、会話ができる電話なんてできるかもしれない。
 昔から電話を掛けるときには、「もしもし」という。いまの若い人たちも、やっぱり電話は「もしもし」なのだろうか?  たとえば 「しもしも」といったりして?
 私は携帯電話もスマートフォンも持っていない。我が家にあるのは、かみさんの古い携帯電話だけ。それでも一応不自由なく暮らしている。
 天の声「あんたは働いてないし、人付き合いもしないからね」