五月に行われる東京大学の学園祭は五月祭と呼ばれている。新型コロナウイルス感染下の今は、五月祭がどのようになっているのかは知らない。
大昔、1958年の五月祭で、日本ではじめてのDNAの分子模型が、学生たちによってつくられ、展示されたという。
この話は、山崎昶さんの書いた「ミステリーの中の化学物質」という本の中で紹介されている。山崎さんは東大理学部化学科を卒業された化学者である。ものすごい物知りで、たくさんの本を書かれた。ミステリーにも、造詣が深い。
山崎さんによると、1958年の五月祭で、竹ひごと油粘土で、日本で初めてのDNA分子模型がつくられたという。理学部化学科の4年生が計画し、3年生だった山崎さんはその下働きをしたそうだ。
実は、私もそのころ化学科の4年生だった。しかし、DNAの分子模型の話など、まったくおぼえていない。もちろん製作に参加していない。5月祭の展示をつくるのは自由参加だし、他にも展示物があってそれを手伝った。いや、私は多分サボって何もしなかったのだ。
この話を読んで、私の級友たちはえらかったのだなあと、いま自慢に思っている。
さて、五月病、五月祭ときたので、次のテーマは五月みどりかな。
天の声「五月革命でも論じなさい」