BBCは、イギリス放送協会、つまり公共放送の機関である。日本で言えばNHKに相当する。
 BBCというと、私などは、ついBBAとかBBRCの仲間かと錯覚してしまう。BBAやBBRCは、生化学のジャーナルの略称である。
 私は推理ドラマをよく見るのだが、BBCの制作によるものが多い。つまり、大変お世話になっている。最近、気に入っているのが、「シェイクスピア&ハサウェイの事件簿」。二人の主人公がどちらも魅力的で、とても面白かった。そのほか、「ミステリー・イン・パラダイス」、「ニュートリックス 退職デカの事件簿」、「美人検視官ジェーン」、「ブラウン神父」などがBBCの制作である。
 なぜ、イギリスで、面白いミステリードラマが、どんどんつくれるのかといえば、素晴しい原作があることが、大きな要因だろう。
 では、なぜ素晴らしい原作があるかといえば、伝統の力である。コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」に始まり、アガサ・クリスティの「ポワロ」や「ミス・マープル」を生み出した国である。
 さらに、そのもとはといえば、イギリスが民主国家だからだという意見を、この間読んだ。民主主義国家では、怪しいからといって、人をむやみに捕まえることができない。捕まえて、拷問して、自白させるなんて、論外である。科学的な、きちんとした証拠がないと、罪の問うことができない。そこで、綿密な犯罪捜査、論理的な推理が生まれてきたのだという。
 独裁国家では、推理小説という文化は生まれない。当然、優れた推理ドラマはできないという。
 もっともな意見だと思う。では、日本はどうかな。
 BBCのドラマの原作は、イギリスの作家のものだけではない。「メグレ警部」のシリーズも作っている。メグレはフランスの作家、ジョルジュ・シムノンが生み出した探偵である。
 BBCはなかなか心が広いのだなとこの点も感心した。

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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