ある土曜日の昼間にテレビを付けたら、プロ野球をやっていた。交流戦で、無観客である。ホークスの選手が何本もホームランを打って、ジャイアンツを圧倒していた。もはや勝敗はあきらか。
プロ野球のテレビ中継を見たのは久しぶりである。むかしは、毎晩見ていた。いや、日本全国の家庭がそうだったと思う。夕食の時間になると、茶の間で一家が、テレビのプロ野球の中継を見る。ほとんどが巨人戦だ。しかも、巨人軍が強い。これでは「巨人、大鵬、卵焼き」になるのも無理はない。
今は、変わってしまった。地上波のテレビで、プロ野球の中継することが、少なくなってしまった。そして、常勝巨人軍は、常勝ではなくなってしまった。日本一には、もう何年もなることができていない。
代わって、ホークスが強くなった。日本シリーズで連覇している。なぜ強くなったのか?親会社のソフトバンクがお金持ちで、よい選手を集めたからだろう。ソフトバンクという会社は、めちゃめちゃ利益を上げていると、新聞に出ていた。
プロ野球に限らず、いつもいつも、同じものが勝つのは面白くない。進歩もしなくなる。盛者必衰は世の習いだと昔からいわれている。
盛者必衰の他の例は、デパートだ。子供の頃は夢のような存在で、大食堂とか屋上の遊園施設とか、楽しみがいっぱいあった。三越がその代表だ。かみさんは三越が大好きだった。その三越がひとりではやっていけず、伊勢丹と合併した。いや、三越だけでなく、百貨店はみんな地盤沈下してしまっている。
相変わらず盛者なのは、東大、京大などの有名大学だろう。いまでも、入るのには大変な競争である。
そこで、ソフトバンクの孫正義さんにお願いしたい。今度は、すごい大学をつくってほしい。オクスフォードやハーバードのような大学を日本につくってほしい。
お金がたくさんあれば、優秀な教員が集まる。素晴らしい研究も出てくる。そして優秀な子供たちも集まってくる。頭のいい子供が、東大や京大ばかりに行きたがらなくなる。
そうなれば、世の中がまた変わっていくと思うけれど。