先日、「餅食えば鐘がなるなり増上寺」と書いたけれど、実は私は、この正月に餅を食べていない。餅が嫌いなわけではない。好きなのだけれど、我慢している。餅を食べて、のどに詰まらせたら、大変だ。迷惑をかけてしまう。
 かみさんも賛成したので、餅抜きの正月となった。
 餅を食べる代わりに、餅の俳句を探した。
       ふくれ来る餅に漫画を思ひけり     高田風人子
       寮生の呉れし餅焼く舎監室       中井苔花
       雪欲しと思ふ夜に焼く佐渡の餅     金井麒麟草
       餅膨れつつ美しき虚空かな       永田耕衣
       餅甘し古老の前にかしこまり      宮津昭彦
 息子夫婦がやってきて、6日から仕事だと言った。
 私は仕事をしていないから仕事始めもない。餅も食べないから、「お正月休み」の気分になれない正月だった・・・
 天の声「穏やかな正月だ。有難いと思いなさい」