この間、ラジオを聞いていたら、ある女性が、つぎのような話をされていた。その方は、スウェーデンの高校で、日本語の教師をしている方である。
日本語をどのように教えるかというと、まず挨拶を教える。それから、いろいろな表現を教える。寒いとか、大きいとか。
以前は、「太っている」「やせている」という言葉も教えていたそうだ。しかし、いまは教えなくなったという。
「太ってる」「やせている」という言葉を聞くと、不愉快に思う人がいる。人を不愉快にする言葉は言ってはいけない。だから教えないのだそうだ。
ルッキズム、つまり容姿や外見で人を差別することは、スウェーデンではやってはならないことなのである。
「美人だ」といってもいけない。モデルさんといえば、日本では、とびっきりスタイルがいい美人がなるものだが、スウェーデンでは、ごく普通の人がやるという。
人が不快に思うことをやってはいけない!さすがスウェーデン。すばらしい社会になっているのだ。
そして、次のような話を連想した。
ハトとタカが住む社会を考える。ハトは誰も傷つけない。タカは必ず、相手を攻撃する。そう仮定したとき、ハトとタカの割合が、どのようなときに、いちばん長続きのする社会ができるのかという問題である。
ぜんぶタカだと、殺しあってしまい、滅亡する。ぜんぶハトだと、平和に見えるけれど、もしも外敵がやってきたら、ひとたまりもない。そこで、学者が、いちばんよい割合を議論しているのだが、肝心の結論は忘れてしまった。
私は、スウェーデンは、ぜんぶハトの社会を目指しているのだなと思った。
なにか「外敵」が襲って来なければいいのだが・・・
それに、あの人は美人だと言えないなんて。もの言えば、くちびる寒し、秋の風