ミノムシは、ミノガ科のガの幼虫である。樹木の枝や葉を糸で綴って袋をつくり、その中に住む。袋は丈夫で、財布の材料に使ったりする。
 小さく切った色紙の中でミノムシを飼うと、極彩色の蓑をつくる。
 昔は「ちちよちちよ」と哀れげに鳴くと言われたそうだが、本当は鳴かない。
 ミノムシは「鬼の捨て子」「鬼の子」などとも呼ばれる。親が子供にみすぼらしい服を着せたまま、置いて行ってしまったというイメージらしい。
 また、秋風に吹かれているミノムシには、俳諧的な雰囲気があるというので、「蓑虫鳴く」という季語になり、俳人に好まれているそうだ。俳句の本を見るとミノムシの句はたくさんある。
   蓑虫の父よと鳴きて母もなし      高浜虚子
   蓑虫にうすうす目鼻ありにけり     波多野爽波
   蓑虫のましたまっすぐしんのやみ    松澤昭
   蓑虫やくれなむとして山やさし     山田みずえ

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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