杖を無くしてしまった。外出時にどこかに置き忘れたらしい。
歳をとって、足がふらつくようになって、昨年の10月10日に街の中で転んでしまった。そうしたら、息子が杖を買ってくれた。
確かに杖があると心強い。体を支えてくれる。しかし、体を支えるものは杖に限らない。たとえば、買い物用の簡単なカートでも、持っていると体が安定する。
スーパーに買い物に行くときに、杖とカートの両方を持って行った。買い物をして、レジで支払をし、品物をカートに詰め込んだ。そうして、カートを支えにして歩きだした。その時に、杖のことを忘れてしまった。
支えがひとつあれば、もうひとつの支えを忘れてしまう。
なにか、寓話に出てきそうだなあと後から思った。
仕方がないので、また杖を買った。アマゾンで注文したら、すぐに届いた。便利な世の中だ。