高校の時、ドイツ語の授業があった。英語と違って自由選択である。好奇心で出てみると、大勢生徒がいた。しかし、何週間か経つうちに、生徒の数はどんどん減って、3人になってしまった。先生は、生徒にお菓子をくれた。でも、私もやめた。
大学では第2外国語は必修である。ドイツ語には未習と既習のクラスがあった。私はドイツ語をかじってきたのだけれど、未習にした。楽ができると思ったからだが、楽がでたのは最初だけで、すぐにわからなくなった。
大学の1年生の時は、かなりのエネルギーをドイツ語の学習に使ったと思う。それが、学年が進むと、たちまちドイツ語は忘れてしまった。なにしろ、ドイツ語に出会う機会がないのだ。
大学を卒業した後も、ドイツ語に出会う機会は少ない。昔は化学の用語はドイツ語由来だったが、どんどん英語になってしまった。
それでも、私が卒業したての頃は、まだドイツ語風の呼び方がいくつか残っていた。たとえば酵素は、ドイツ語ではエンチーム、英語ではエンザイムである。酵素の補助因子は、コエンチームとコエンザイム。今はみんなエンザイム、コエンザイムだが、私が大学卒業した頃では、コエンチームという言葉は、よく耳にした。
アミノ酸などで、まだドイツ語風の呼び方が残っているものもある。たとえば、ロイシンやイソロイシン。もちろん、英語風にリュウシンとかアイゾリュウシンという人もいる。こっちの方が、やがて主流になっていくだろう。
そうだ。私は今でもドイツ語を使うときがある。それはトイレの中でだ。
年寄りは便秘になりがち。それで、呪文のように唱える。デル デス デム デン、ディー デル デル ディー・・・出た!
尾籠な話でごめんなさい。