いまレコードが人気があるそうだ。レトロブームの一種だという。一方では、レコードのかけかたがわからない人もいる。この間ラジオを聴いていたら、若い女性アナウンサーが、針の置き方がわからない、怖いと言って、レコードをかけるのをしり込みしていた。
いまはレコード・プレーヤーというが、昔は蓄音機といっていた。子供の頃、私の家にもあった。よく覚えていないのだけれど、大きな木の箱で、ホーンがついていて、手でゼンマイを巻いて動かした。
やがて、それが電気で動く電蓄になり、レコード・プレーヤーと呼ばれるようになった。レコード自体も、どんどん進化して、LPレコードが出来た。
子供の頃、あの蓄音機でどんな歌や曲を聴いたのか、ほとんど覚えていない。家にはそんなにたくさんのレコードはなかった。父も母も、音楽にはあまり関心がなかったようだ。
家にあったレコードの中にビゼーの「カルメン」があった。子供には、長たらしく、むずかしい音楽だったと記憶している。
子供向けのレコードで覚えているのは、「ニコニコピンピン」という童謡だ。「お陽が照る照る、街に照る、野に照る、海に、山に照る。お陽が照ろうか、照るまいか、明るい顔して歌ってる、それそれニコニコピンピンよ・・・」なんて歌詞だった。意味不明。この歌は、あのレコード以外で聞いたことがない。
天の声「つまらないことしか覚えていないんだ」