先日、東京工業大学と東京医科歯科大学の合併のニュースが報じられた。両方の大学とも、”立派な”大学である。業績も知名度もあり、受験生の人気も高い。何故合併する必要があるのだろう。二つの大学のキャンパスは離れているし・・・
そうしたら、二つの大学の合併は、「国際卓越研究大学」の構想に乗ったものではないかという記事を見た。ああ、そうなのかと思った。
国際卓越研究大学構想は以前にこのブログでも取り上げたことがある。政府が巨額の基金を提供し、そのお金の運用益を、「少数の」大学を選んで提供する。
そのお金の額は、半端なものではないらしい。というか、今まで大学がもらっていたお金の額と桁が違うらしい。
そのかわり、外部の委員会の意見を入れる。当然、研究するテーマは、今の社会のニーズに合致したものになるだろう。となると、基礎研究などは受け入れてもらえそうもない。
しかし大学としては、お金が欲しい。「少数の」国際卓越研究大学に選ばれたい。
これでいいのか? 基礎研究の重要性は、ノーベル賞の受賞者が出るたびに、強調されるのだけれど、そんな声はすぐに消えてしまう。何の役にも立ちそうもない研究を大事にしないと、文化国家とは言えないと思う。