昔、喫茶店、飲食店、酒場などには、ジュークボックスが置いてあった。ジュークボックスとは、コインを入れて好みの曲目のボタンを押すと、自動的にレコードがかかる演奏装置である。アメリカ発だ。大いに流行したが、1960年代以降は衰退してしまったそうだ。
私がアメリカに留学していた時代には、ジュークボックスが各所にあった。そうして、誰がコインを入れて選曲したのか知らないが、「上を向いて歩こう」がかかるのをなんども聞いた。
もっとも「上を向いて歩こう」ではなくて「スキヤキ」という曲名になっていた。演奏だけで、歌はない。
「上を向いて歩こう」は、日本では、永六輔さんの作詞、中村八大さんの作曲、坂本九さんの歌で、大ヒットした。「6,8,9」コンビといわれたものだ。
「スキヤキ」も、アメリカで大ヒットした。スキヤキは、私の聞いた限りでは、曲だけで歌がない。だから、ヒットした功績は、中村八大さんにあるように思える。
中村八大さんの才能は大したもので、他にも名曲をいくつも作った。
ところで、「上を向いて歩こう」の「むいて」という部分は、「向いて」ではなくて、ゆで卵の殻を「剥いて」のように聞こえるといった人がいる。
何事にも、文句がつくものだなあ。
天の声「変なしめくくりだ」