健康意識が高まってきて、腸内環境に関心が集まるようになった。腸活という言葉も耳にする。その中で酪酸菌が話題になっているそうだ。
 酪酸菌は腸の中で食物繊維などを発酵、分解して酪酸をつくる細菌の総称である。
 酪酸は、いわゆる「短鎖脂肪酸」のひとつで、酢酸やプロピオン酸の仲間だ。
 短鎖脂肪酸は、腸内を弱酸性に保ち、有害な菌の増殖を抑えたり、肥満防止や腸の炎症予防、免疫機能の調整など、さまざまな健康効果がある。
 酪酸を作り出せるのは、酪酸菌だけで、乳酸菌やビフィズス菌はつくることができない。
 このような記事を、ネットで見つけた。これを読んで、私はちょっと物足りない気がした。
 前にもブログで書いたことがあるが、私たちは大昔、ヒストンデアセチラーゼ(略称HDAC)という酵素を見つけた。この酵素は、いわゆるエピジェネティックス(遺伝子の働きが外からの刺激によって変わる現象)の主役の酵素であることが後にわかってきて、注目を浴びるようになった。この酵素は色々な生命現象にかかわっていて、たとえばこの酵素をうまく阻害するとガンを抑えることができるという。
 そして、酪酸はHDACを阻害することがわかっている。だから酪酸菌は、ガンの予防に役立つかもしれない。そんな観点も入れた解説記事を書いてくれるとよかったのになあと思う。
 天の声「かもしれないではダメだ。実験で証明されないと・・・」

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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