先日、天気予報は、東京にも雪が降りそうといっていた。しかし、「降るかなあ」と期待、いや身構えていたら降らなかった。
 「ポムポム川の辺」に引っ越すときには、長靴を持っていくべきかどうか、かみさんと議論になった。かみさんは「持っていくべきだ。雪の時困る」と主張した。私は「雪が降ればじっとしていればよい。外に出ることはない」といった。
 実際に長靴を持ってきたかどうか、私は知らない。
 私は雪国で暮らしたことがない。しかし仙台に住んでいたことがある。今から50年以上も前の話である。
 仙台はいわゆる雪国ではないけれど、東京より寒いし、雪は何度も降った。東京の雪と違って、サラサラしていて、降り出すとあっという間に積もった。
 仙台には6年ぐらい住んだ。すると浜松に新しい医科大学ができて、私はそこに移ることになった。そうしたら、ある日、浜松の理化学機器屋の社長さんが、わざわざ仙台までやってきた。新しい大学ができるので、理化学機器をたくさん買ってもらえると思ったらしい。
 私に頼んでも無駄なのに。
 その日は、晴れていたのに、夕方になって雪が降り出した。あっという間に積もって、街は真っ白になった。
 それを見て、浜松の社長さんは大喜び。あたりを駆け回り、ついには雪の上に寝そべってしまった。私はびっくりした。
 やがて社長さんは起き上がり、「浜松では雪は降ることがない。雪は初体験だ。」とニコニコしながら弁解した。こんなに喜んでくれて、私もうれしい。
 たしかに、その後浜松に引っ越して、12年ぐらい住んだが、雪はほとんど降らなかった。ちらちら舞うことはあったかもしれないが、積もることはなかったと記憶している。
 ついでに、仙台と浜松で違うところを言うと、仙台には「佐藤さん」がたくさん住み、浜松には「鈴木さん」が多いことだ。面白い。
 仙台にはサトウトシオさんという人がいた。自分は「砂糖と塩」と言って人を笑わせていた。いまどうしているかなあ。

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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