私のところに、受験本の出版社から、「あなたの著作物が、ある大学の入学試験問題として使用された。それを掲載したいから許可してほしい」という手紙が来た。
入試問題に使った大学からは、なんの通知もなかった。入学試験は、もちろんその性質上、著作物の使用を前もって著者に許可を求めることは出来ない。でも試験が終わった後に、ひとこと挨拶があってもいいんじゃないかと思ったりした。
私も入試の問題づくりをやらされた経験がある。とても神経を使ういやな仕事だった。だから、ただただ無事に終わることを願い、著作権なんかに気を遣う余裕はないことはわかる。
さすが受験本の出版社さんは、丁寧な許可を求める手紙と契約書を送ってきた。あとで、ちょっぴり謝礼も下さるようだ。
私としては、いい加減に書いた文章が入試問題になるのは、申し訳ない気がする。何しろ、受験生は真剣に読んでくれるはずだから。
以前に、学習塾の教材に使われたこともあった。送られてきたものを見ると理科でなくて、国語の教材に使われいた。隣には源氏物語だか、奥の細道のような古典の文章が並んでいた。あれは恥ずかしかった。
天の声「そうだよなあ」