パンツというのは、下着の意味でも、ズボンという意味のどちらでもいい。要するに、腰の周りのゴムひものことで、それがきついのがいやなのだ。きついと不快で、我慢できない。
若い頃は、こんなことはなかった。年をとってきて、我慢できなくなった。なぜかなあ。パンツのゴムだけでなく、我慢できないことが多くなった。
私は太っていない。しかし買ったものは、たいていゴムがきつい。ゴムを緩めるか、取り換えればいいのだけれど、安物ばかり買うせいか、ゴムが縫い付けてある。取り換えられない。
椅子の背もたれにはめてゴムを引き延ばし、そのまま一日放置しておいたがダメ。緩んでくれなかった。アイロンで熱をかけるとゴムが緩むという話を聞いたが、老人ホームに引っ越して以来、我が家ではアイロンを使ったことがない。アイロンは行方不明だ。
きついといやなのは、パンツのゴムだけではない。靴下のゴムもきついのはいやだ。
一日のスケジュールだって、きついのはいやだ。スケジュールといっても、お医者さんに行くのが主だけれど。スケジュールは緩い方がいい。その代わり、待ち時間が多くなる。なかなか難しい。
「女房と畳は新しい方がいい」と、昔から言う。私は「女房の財布のひもとパンツのゴムは緩い方がいい」と思う。
天の声「緩すぎると困るよ」