新型コロナウイルス感染の騒ぎで、マスクは必需品になってしまった。
 「ポムポム川の辺」ももちろん例外ではない。
 食事の時のアナウンスには、「かならずマスクをして・・・」という文言がかならず入る。
 廊下を歩いていても、マスクをしていないと、介護士さんに注意を受ける。老人ホームの廊下は公道なんだな。
 私はマスクが苦手だ。うっとうしく、煩わしい。すぐ息苦しくなる。
 仕事上、一日中マスクをしていなければならない人はたくさんいるだろう。すぐに思い浮かべるのは、お医者さん、看護婦さんだが、それ以外にも、お店の店員さんも、飲食店でサービスする人など、人と接する人はみんなそうだ。大変な世の中である。
 かみさんはテレビに出てくる人のマスクを見ては、アレコレ批評をする。なかでも小池東京都知事のマスクには感心している。私にはわからないが、いつ見ても、違ったマスクをしているらしい。
「あのマスク、どうやって手に入れるのかしら」とかみさんはいう。「だれか、くれる人がいるのかしら」
 私は知らないと答える。
 「ポムポム川の辺」の介護士さんも、いつもマスクを着けている。そういえば、入居した時にはすでにコロナが蔓延していたから、もうマスクを着けていた。だから、私たちは介護士さんの素顔をまだ見てないことになる。
 われわれ入居者も自室の外ではマスクをしているが、食事の時は外して素顔をさらしている。
 介護士さんたちの素顔を見たい。そうでないと体形で、覚えるほかないでしょ。
 あっ、これって、セクハラかな。

 

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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