お正月のラジオを聞いていたら、「みんなで歌える歌」を話題にしていた。ある人がそれは「紺碧の空」だといった。これは早稲田大学の歌で、その人は早稲田の卒業生。そういえば、私の知人の早稲田出身の人も、酔っぱらうと、この歌か「都の西北」を歌っていたなあ。そんな人達をうらやましく思うけれど、ちょっとウザイ気もした。
私は、合計六つの大学で学んだり勤めたりしたけれど、どの大学の歌も覚えたことがない。歌があるかどうかも知らない。
校歌・応援歌はみんな同じように聞こえる。甲子園の高校野球で聞く校歌・応援歌もそうだ。曲も歌詞も同じよう。「伝統の・・・」とか「栄光の・・・」とかいう。AIなら簡単に作れる。
大昔、私は浜松の新設の医大に勤めた。出来たての大学で、入りたての学生さんは、運動部をいくつも作った。運動部には顧問の教員が要る。常住の教員は少ない。私は卓球部の顧問になってくれといわれた。卓球のことなど何も知らないのに。
ある日、大会があるというので、名古屋まで出かけた。わが大学の卓球部はもちろん弱いので、1部2部・・・といくつかあるクラスの中の、最低のクラスだ。キャプテンが言った。「もし優勝したら、校歌を演奏することになるんですけれど・・・」 わが校には校歌はまだない。
でも彼は、ニヤニヤして言った。「心配はいりません。優勝なんてありえませんから」