先日ラジオを聞いていたら、「2048年問題」という話をしていた。私は、はじめて聞いて、びっくりした。
2048年問題というのは、2048年には、いま食べている魚は、全て獲れなくなるという予測のことだそうだ。漁獲のやりすぎで、海に魚がいなくなってしまう。そうすると、魚を食べるとすると、養殖したものに限られるというのだ。
2048年には、私は、この世にいないから、関係ないが、天然の魚が食べられなくなるのは、さびしい。魚つながりで、昔、ある高級魚をご馳走になった時のことを思い出した。
お金持ちのお医者さんに連れられて、その友達二人と、私とで、ある料理屋さんに行った。小さな店だが、高級そうだった。カウンターに座って、御馳走をいただいた。その時にキンキという魚の焼き物が出た。
おいしい魚だったが、他にもご馳走があって満腹だったので、半分残してしまった。ふと、隣の人たちをみると、魚の肉を食べたあと、残りのあらを、小さなお鍋に入れて、吸い物をつくってもらっていた。いかにも、食べなれたふうであった。
私はびっくりして尋ねると、キンキは、とても貴重な魚で、こうやって、残らず賞味するのだという。私のように、無造作に半分食べて、残してしまうのは、だめらしい。お店の人が、私の食べ残しは折に詰めて、持たせてくれた。
ちょっと恥ずかしかった。高級魚など、食べなれてないのだから、仕方ない。この魚の産地を聞くと北海道だという。「北海道産なのに、キンキというのか」と、心の中でダジャレを言うのが、精いっぱいだった。