「ポムポム川の辺」に入居して1か月と10日ほどが経った。寒波が来て、外は凍り付くような寒さだが、ホームの中は暖かい。
 部屋の中でぬくぬく寝そべっているのはよい気分だが、先のことを考え出すとなんだか不安になる。
 このホームが「終の棲家」になるのだろうか。
 改めて入居時にもらった書類を引っ張り出して眺めた。
 たとえば緊急時。ナースコールのボタンを押せば、24時間対応してくれるという。救急車も呼んでくれる。しかしである。救急車の同乗は出来ないという。つまり、子供たちに連絡して、後は子供たちに任せるということだろう。
 一日1回、安否確認してくれるという。もしも異常があれば子供たちに連絡して、子供たちが処置することになるのだろう。
 当然といえば当然なのだろうけれど、やっぱり頼りにするのはホームではなくて、子供たちなのだ。
 長くホームにいれば、たいていの人は要支援、要介護になるだろう。そうすれば、決められた介護保険サービスを受けることができる。しかし、介護保険が適用されないサービスは有料である。 
 例えば、洗濯や買い物は10分440円。買い物や散歩の付き添いは10分624円。病院への付き添いの場合、病院内の待ち時間は30分972円。
 うーん。 やっぱり、老人ホームは子供や家族とは違う。
 期待する方が間違っているのだろう。
 いろいろ考えると、老人ホームは、私が思い描いていた「終の棲家」とは違うんだなあ。

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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