「食事のカロリーを制限すると、寿命が延びる」 この現象は、さまざまな実験動物で観察されてきた。いわば、長寿学の常識である。
ところが、最近、大事なのは、食事の量ではなくて、与える回数であるという研究報告が出た。
アメリカの研究グループによるマウスを使った実験で、ネイチャー誌の一つに掲載された。
標準のグループに較べて、エサを一日当たり30%減らすけれど、終日好きなときに食べさせると、寿命は少し短くなってしまった。しかし、エサの量を減らさずに、一日一回だけ食べさせる、つまり21時間は空腹にしておくと、寿命は半年も伸びた。
空腹の時間をつくることが、とても大事だというのが結論である。
これは、マウスの実験である。では、人間ではどうかというと、短期的には、一定の効果が見られという。長期的には、まだわからないそうである。
老人は、「あまり長生きしたくない」と口では言うけれど、やっぱり長寿には関心がある。試してみる人がいるだろうなあ。
そのうち、この老人ホームでも、「食事は一日一食にします」という日が、来るかもしれない。
天の声「おやつも制限しないとダメだ」