先日、外国のTVドラマを見ていたら、携帯電話を使おうとしている子供に、「電磁波が体に良くない」と注意している親が登場した。そこで、私は、昔、ある医学部の病理学の先生が、「電磁波の害」を主張していたのを、思い出した。
それで、インターネットで、少し調べてみた。いまでも、電磁波の害について、賛否両論があるとこを知った。興味深いことは、その人の立場によって、はっきり意見が違うことだ。つまり、電磁波を出す側の人は「害はない」と主張する。「有害だ」と出張する人は、電磁波を出す立場にない人である。わかりやすいといえば、とてもわかりやすい。
電磁波によって、頭痛、耳鳴り、ふらつき、めまい、睡眠障害、動悸、関節痛などがおこる人がいる。こういう人は、電磁過敏症と呼ばれている。一方では、何でもない人もいる。そういう人にとっては、そんな訴えや、症状は理解しがたい。
学問的な研究もおこなわれている。しかし、問題は、研究の中立性が保たれにくいことだという。電磁波の被害を直接受けている人と、企業などからの支援や資金提供を受けている人で、大きな隔たりがある。それは理解できるけれど。
病気が特定の物質に起因すると考えられるときには、まず原因物質の究明、それから診断、そして治療という順で進められていくのが普通だが、電磁波の害については、研究はそのようには進んでいないのが現状らしい。
ともかく、言えることは、私たちは、いま、ものすごい量の電磁波を浴びていることである。家庭用電化製品、送電線、電気自動車、携帯電話、Wi-Fiなど、など。100年前に比べると、1兆倍の電磁波を浴びているという。
これは、なかなか厄介な問題だと思う。