この間、ラジオを聞いていたら、ちくわの話をしていた。ちくわの生産量は1970年ごろがピークで、その後減ってきていたのだが、近年盛り返してきたそうである。魚肉、特にスケトウダラが、筋肉づくりによいというので、スケトウダラを使ったちくわ、さつま揚げ、はんぺんなどの練り製品に人気が出てきているという。
そこで、練り製品の業者は、張り切っていて、魚肉製品を「フィッシュ・プロテイン」という愛称で、売り出すことにきめたという話だ。魚肉タンパク質と呼ぶのと、全然変わらない気がするけれど、そうでもないらしい。
プロテインという言葉は、単なるタンパク質ということではなく、筋肉づくりのサプリメントの地位を獲得しているのだそうである。だから、魚肉タンパク質ではなくて、フィッシュ・プロテインなのだ。
「フィッシュ・プロテイン」をはじめとして、この頃のネーミングは、カタカナのものが多い。私たちの生活は、カタカナであふれている。フィッシュ・プロテインのように、多少なりと理窟があるものもあるけれど、そうでないものもありそうである。
インターネットやパソコン関連の言葉は、カタカナで仕方ないと思う。全部外国から急速に入ってきた文化で、訳語をつくる時間がなかったのだろう。
でも、たとえば、お菓子といわずにスイーツという。スイーツを売っている店の商品は、みんなカタカナである。
カタカナにすると、よく売れるとしたら、私たちは、カタカナ依存症の状態になっているのかもしれない。
だいたい、命名といわずに、ネーミングというところからして、カタカナ依存症になっている。
天の声「わたしはヘブンリ―・ボイスだ」