新型コロナワクチンの感染がおさまらない。むしろ、ひどくなっている。頼みの綱はワクチンである。
ワクチンについては、いろいろなことが話題になっている。
まず、2回ワクチン接種を済ませた人に、3回目をやるかどうか、いわゆるブースタ―の接種の問題がある。
ブースターの効果は、まだきちんと検証されていないという。変異株のウイルスの中には効かないものもあるらしい。かえって悪いことがあるかもしれないという。これは医学的な問題だ。
一方、政治の上の問題もある。まだ2回済んでいない人がいるのに、3回目を打つのは早すぎるという意見である。
怖いのは、ウイルスの変異である。いま、デルタ株が流行している。感染力が高く、おまけに、現在のワクチンでは、効果はいまひとつらしい。さらに別の恐ろしい変異株が入ってくる可能性もある。
ウイルスが蔓延していると、変異の起こる可能性が高くなる。流行を抑えて、彼らが変異するチャンスを少なくするのが大事だというが、どんな変異株にも対応できるワクチンの開発が望まれる。
コロナウイルスの感染のカギとなるのは、ウイルスの表面のトゲトゲ、いわゆるスパイクタンパク質である。この領域に変異がおきて、いろいろな変異株ができる。しかし、この部分には、どの株にも共通の、つまり変異しない「保存領域」がある。これに対する抗体をつくりだすワクチンができれば、どんな変異にも対応できることになる。
現在使用されているmRNAワクチンを接種した人のなかに、「保存領域」に対する抗体ができている人が見つかったと報告されている。現在のワクチンを改良すれば、接種した人の多くが、能率よく、このような抗体をつくる可能性が出てきた。今後の開発・研究が期待される。