「ポムポム川の辺」の所長さんが、転勤になるという。札幌へ行くそうだ。北海道へはまだ行ったことがないというので、へぇと思った。今は便利になって、飛行機を使えば、すぐにいけるし、新幹線だってある。簡単に行けるから、逆に行こうと思わないのかもしれない。私が若いころは、北海道旅行は、大人気だった。
特に、若者の間では、夏休みの北海道旅行は人気があった。私も、大学院生の時に、10日ぐらいはかけて、北海道の各所を廻った。「上野発の夜行列車・・・」という歌のとおり、上野を出発して、青森からは青函連絡船である。海を渡るのに、数時間かかった。函館から札幌までも、列車で数時間かかる。カニの弁当を買って汽車の中で食べた。
札幌から、北海道の各地を回るのだが、人気のある観光地には、みんなが行く。私は友人と二人で旅行をしたが、まず、北の果ての稚内に行き、礼文島と利尻島へ行った。それから、網走を通って、知床へ行って、摩周湖へ行って・・・同じコースをまわる人が何人もいて、行く先々で会った。
可愛い女性の二人連れがいて、数か所で出会った。挨拶を交わすようになったけれど、それでおしまい。
お金がないから、夜はユースホステルに泊まった。雑魚寝だし、夜はミーティングのようなものがあって、あまり居心地がいいとは言えなかったが、仕方がない。
のちに、学会などで、北海道には何度もいったが、いつも飛行機だった。とても簡単・便利に行けるようになったけれど、強く印象に残っているのは、やっぱり、若いときのあの旅行だ。
天の声「あんたにも青春時代があったのだ」