菅首相の人気が低迷している。理由の一つは、発信力がないからだと、メディアが報じていた。確かに、菅さんはいつも原稿棒読みだし、眼がうつろで生気がない。あれでは、たとえば、コロナ感染防止のため、出歩くなといっても、国民はなかなか聞き入れない。
 菅さんに限らず、一般的に、日本の政治家は、スピーチや討論が苦手だという。科学者も同じで、学会などでも、欧米人にはとてもかなわない。もちろん、言葉のハンディキャップがあるけれども。中国人にも、おしゃべりでは、負ける。
 昔、日本人にも、ディベートの教育が必要だという意見があった。アメリカでは、学校で子供の時から、ディベートの訓練をしている。それを見習わなければならないというのだ。
 ディべートというのは、ふつうの討論とは違う。あるテーマについて、肯定側と否定側とに分かれて、討論を行う。ジャッジがいて、勝ち負けを決めたりする。
 たとえば、今日のテーマは「ライオンとトラのどちらが強いか」ときめると、クラスの生徒を二つに分け、片方は「ライオンが強い」という立場で、もう半分は「トラが強い」という立場で主張する。生徒個人の意見は問題にしない。トラが強いと思っていても、ライオン組に入れば、ライオンが強いと主張しなければならない。
 これを聞いた時、私は、おかしいなことをするなあと思った。自分の考えと違うことを無理やり主張する教育をするなんて、口先だけうまい人間を育てるつもりなのか。でも、確かに、討論はうまくなるだろう。
 今の日本の教育の中に、ディベートが取り入れられているのかどうか、私は知らない。今日の教育が、「勝ち負けを競わず、みんな仲良くやりましょう」という方向であれば、ディベート教育は取り入れてないと思うけれど。
 ちなみに、ライオンとトラは、どちらが強いか?
 交流戦の通算成績は、ライオンの32勝30敗だそうだ。もちろん、これはプロ野球の西武と阪神の対戦の成績である。

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です