オリンピックで金メダルを獲得すると、いろいろなご褒美がもらえるらしい。これもラジオからの知識だが、あるフェンシングの選手は、勤務先の企業から1億円もらったそうである。そのほか、競技団体などからも報奨金がもらえるし、CM契約のオファーがきたりする。
世界のトップクラスの選手たちは、その技術や体力を維持し、向上するためには、すごくお金がかかるそうだ。たいていの選手は、アマチュアだから、スポンサーが不可欠となる。よい成績を出して、スポンサーの企業に気に入られなければダメだ。
いったい、何のためにスポーツをやっているのだろうか。スポーツは、「自分の楽しみや健康増進のために」やるものだという、昔の考え方からは、遠くなってしまっている。スポーツの世界は、ゆがんでしまったように、私には見える。
科学の世界も、同じかもしれない。昔は、科学の研究は「知的好奇心を満たすため」にやるのだといわれていた。お金儲けや名誉のためではない。だから、一種の趣味や遊びだったのだ。でも、いまはそんなことはいっていられない。科学研究には、お金がかかるようになった。そのため、研究費を稼ぐことが、科学者の仕事というか、大きな関心事になってしまっている。
「ネイチャー」誌に論文が出れば、報奨金100万円というような話は聞いていないけれど、研究費の獲得やポジションの確保のためには、よいジャーナルに論文が出ることが大切になっている。
もっとも、科学の研究は、評価が定まるのに時間がかかる。数十年かかることもある。「ネイチャー」に掲載された論文が、実は誤りだなんてことはよくあることだ。その点は、スポーツと違う。
待てよ。こんな話は、前にこのブログに書いたような気がする。よく覚えていないけれど。
天の声「物忘れがひどくなったな」