世界遺産に登録されると、大きなニュースになる。登録されれば、有名になり、観光客が増えるから、めでたいことなのだろう。
この間ラジオで聞いた話だが、世界遺産の登録が抹消されることもあるのだそうだ。たとえば、イギリスの、リバプールの古い港湾地域は、世界遺産になっていたのだけれど、登録を抹消されてしまった。大規模な再開発がおこなわれて、昔の景観が損なわれてしまったためだという。
再開発されれば、新しい施設ができ、経済活動が活発になり、雇用も増える。リバプールの人たちは、そちらの方を選んだのだ。
世界遺産に登録されて、観光客が増えたために、自然が荒廃して、登録抹消されてしまったところもある。実は、その一歩手前というところが、とても多いらしい。
有名なエジプトのピラミッドや、ペルーのマチュピチュもピンチのリストに入っているそうである。観光客が多すぎて、遺産が荒廃してきている。
富士山も、その危険にさらされている。何しろ、人気があって、登山客が多い。登山客で、登山道は踏み荒らされ、ごみは散乱する。汚いし、危険な状態だそうだ。
観光という経済活動と遺産の保存とのバランスが重要だし、難しい。
私は考える。観光というものを、根本から見直してみてはどうだろうか。みんなが、本当に押しかけていっては、観光資源はダメになってしまう。本当には行かないで、バーチャルな観光を楽しんでは、どうだろう。技術はどんどん進歩していて、今でもかなりの臨場感が得られるらしいし、これからもっと進歩するだろう。
デジタルはキライといつも言っている私が言うのは、すごく矛盾しているけれども、これにこそデジタルを活用すればよいと思う。
大金持ちの人が宇宙飛行を楽しんだというニュースも聞いた。宇宙も同じである。大勢の人が行けば、すぐに汚れてしまう。宇宙も、行かないでバーチャルで楽しめばいい。
まあ、どっちみち、年寄りの私は、どこにも行けないし、行く気もないけれど。
天の声「相変わらず、勝手だ」