先日ラジオを聞いていたら、動物の専門家の先生が、動物のことをいろいろ話されていた。びっくりしたのは、ハトがミルクが出して、子を育てるという話だった。えっ、ハトは哺乳動物ではないのにと、びっくりした。
ハトはオスもメスもミルクをつくり、子に飲ませるという。ピジョンミルクというのだそうだ。
雑誌の記事か何かで、皇帝ペンギンの子育ての話を読んだ。この鳥は、南極で集団繁殖をする。メスは一個卵を産み、オスは厳冬の中、卵を抱いて温める。オスはおよそ2か月間、何も食べず、卵を温めつづけるという。その間、メスは海に行ってしまう。オスはかわいそう。
カッコウという鳥がいる。ハトよりちょっと小型の鳥で、「カッコウ」と鳴く。夏に日本にやってくる。カッコウは、自分では巣をつくらない。モズ、ホホジロ、オナガなど、他の鳥の巣の中に、卵を産む。巣の持ち主の鳥は、カッコウの卵を一生懸命、世話をする。カッコウの卵は、仮親の卵よりも、一足先に孵化する。そして、孵化したカッコウのひなは、仮親の卵を巣の外に押し出してしまう。この行動は、托卵と呼ばれている。
私が、むかし、農学部の教員をしていた時、卒業論文をつくるため、毎年6人―8人ぐらいの学生が研究室にやってきた。研究室は狭いし、研究費もわずかだし、指導する教員も足りない。学生が多すぎる。
一方、国公立の研究所の先生にきくと、研究所は、お金もあり、スペースもあるが、人手が足りない。スタッフは固定されていて、新しい人が入ってこず、マンネリになるのが悩みだという。それでは、卒論の学生さんを預かってもらったらいいと考えた。向こうの先生も、それはいいと喜んだ。ウィンウィンである。
そこで、学生さんの希望を聞き、希望する人を派遣して、預かってもらった。
誰かが、「まるで托卵だ」といった。学科の中では、評判が悪かった。しかし、私は定年まじかで、何とか勘弁してもらった。