老人ホーム「ポムポム川の辺」に入居する前は、私は埼玉県の川越に住んでいた。といっても、川越の中心部からは離れた田舎に住んでいた。「ダサイタマ」の住人であった。
小京都という街は、日本中にあるが、川越は小京都でなくて、「小江戸」と呼ばれている。たしかに、街の中心部に、蔵造りと呼ばれる古い建物が並ぶ一角がある。風情はあるが、その真ん中に、自動車が通る大きな道路があって、バスやトラックも通って、風情をぶち壊している。
倉敷にも、古い街並みが残っている一画があるが、あちらの方がずっとうまく保存されていると思う。
川越の名物は、サツマイモだ。実際には、あまり栽培されていないらしい。しかしサツマイモを使ったお菓子がいろいろあるし、サツマイモを原料とする地ビールもある。
でも、本当のことを言うと、私は川越の事をよくは知らない。川越に住んでいない友人が、ある日やってきて、うなぎ屋に連れて行ってくれた。それからとんかつ屋にも寄った。どちらも古い店で、由緒ある店らしい。よそに住んでいながら、川越にも詳しい人がいるものだと感心した。
川越の夏は暑い。ものすごく暑い。ある日、ラジオを聞いていたら、どこかの大学の先生が、川越は日本一暑いと言っていた。暑いので有名なのは熊谷だが、川越は熊谷より暑いそうだ。ただ、川越には、気象庁の気温を測る施設がないので、公式記録にはならないのだという。
オリンピックのゴルフ会場に、川越のゴルフ場が選ばれた。暑さ対策が必要だろうなあ。
いろいろ悪口を書いたが、住むにはけっこういい街である。観光地としての知名度もある。東京にも近い。もっと人気が出て、地価が上がってほしい。かみさんが、少しばかり土地をもっているので。