学生の時もらっていた奨学金の、返済に苦労している人が多いと、ニュースが報じていた。
 奨学金には、返済の義務のないものとあるものがある。返済義務のある奨学金をもらった場合、数百万円の借金を背負ってしまう。
 返済義務のない奨学金は、だんだん増えてはいるが、まだ数は少ない。それに、返済義務なしの奨学金をもらうには、条件が厳しいことが多い。たとえば、世帯の収入が300万円以下でないともらえない。しかし、奨学金を必要とする多くの学生の世帯収入は、そのちょっと上だという。
 企業の中には、就職した学生に代わって、奨学金を返済してくれるものが出てきたそうだ。そういう会社が増えるといい。
 問題は、大学に入ると、お金がかかりすぎることにある。まず、学費が高い。国立大学の年間の授業料は、535,800円だそうだ。私が学生の時、つまり1955年では、授業料は年に6000円だった。それに比べると約90倍にもなっている。その間の諸物価の上昇は、多分10-20倍だろう。それに較べて、国立大学の授業料は、ずいぶん高くなってしまっている。
 私立大学の授業料はもっと高い。
 学生の生活費も高い。大学が、東京など大都市に集中しているから、生活費も高くなる。勉強するなら、田舎でいいじゃないかと、私は思ってしまう。田舎の空き家に住めば、安く住めるし、空き家問題も解決する。大学は田舎に移転したらよい。
 別の日のニュースで、修士課程に在学した時の奨学金の返済に困るので、博士課程に進学できないという学生が増えていると聞いた。こっちの方が、もっと深刻な問題である。科学者の養成ができなくなる。国は、科学立国を目指しているのなら、何とかしてほしい。

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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