孤独・孤立が、日本の社会の大問題になっていると、ラジオのニュース番組が伝えていた。孤独担当大臣がいるくらいだ。もっとも、そんな大臣がいるなんて、今まで知らなかった。
コロナ禍で、孤立・孤独に悩む人が増えたという。外に出られない。家に引きこもっている。家族や友人と会えない。職がなくなった。育児や介護の負担が増えた。お金がない。理由は様々だが、自殺する人も多くなってしまった。
特に、若い人で、問題は深刻だそうだ。学生の40%が、孤独を感じているという。
高齢者だって、孤独・孤立に悩んでいる人は多い。高齢者は、お金に加えて、健康上の不安や介護の問題がある。
私の感想だが、むかしは、孤独とか、孤立には、文学的なにおいがあった。特に男性においてはである。一匹狼などという孤独をあらわす言葉は、必ずしも悪い意味ではなかった。むしろヒーローのにおいがした。
西部劇の名作「シェーン」では、少年の「カムバック、シェーン」という叫び声を振り切って、シェーンは、ひとり馬を走らせていく。
映画「男はつらいよ」では、寅さんは歌う 「男の人生、一人旅、泣くな嘆くな、影法師・・・」
若山牧水の歌などは、孤独そのものだ。
幾山河 越えさり行かば 寂しさの 終てなむ国ぞ 今日も旅ゆく
孤独・孤独には、男の美学のようなものがあった。
しかし、今の孤独・孤立は違う。質的に違う。深刻さも違うようだ。悩んでいる人の数も違う。美学などといっていられない。
どうすればいいのか。私にはわからないが、やはりできることをやるしかない。お金に困っている人には、国にお金を出してもらい、助ける。そしてコロナを征圧する。人と人がふれあえる場をつくる。親身に相談に応じてくれる窓口をたくさんつくる。
政治家の皆さん、頼みます。しっかりやってください。