私は今、老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅)に住んでいる。暇なので、毎日窓から外を眺めている。しかし、目にする動物は、昆虫を除けば、カラス、ハト、オナガなどの鳥だけ。
 ここに来る前は埼玉県川越市の郊外に住んでいた。近くに新河岸川が流れていて、その堤防の上の道を毎日散歩した。あの河川敷で見た光景を今でも思い出す。そこは「ワイルド・キングダム(野生の王国)」だった。
 タカが白いサギを捕まえて、食べているのを見た。キツネが堤防の上の道に寝そべって、私が近寄っても逃げないことがあった。雄のキジが縄張りを宣言するように大きな声で鳴いていた。冬には白鳥が飛来することがあった。野良猫がカモを捕まえて、くわえて歩いていた。カラスの群れがタカを追いまわした。
 野生の王国というのは、弱肉強食の残酷な世界だ。
 天の声「野生の王国には、優しい世界もある」

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です