菅首相が、党首討論で、むかしの東京オリンピックに感動した話をしたと報じられた。東洋の魔女といわれた女子バレーや、マラソンのアベベ選手、柔道のヘーシング選手の話などをしたそうである。ながながと話をしたそうで、評判が悪いようだ。
むかしの東京オリンピックを知る世代の人間として、ひとこと言いたいところだが、実は私はよく知らない。ちょうどアメリカに留学していたからだ。アメリカにいたら、東京オリンピックはほとんどニュースに登場しなかった。
かみさんはそのころ、東京にいた。家から近かったので、甲州街道を走るマラソンを、道端で見たそうだ。でも、特に感動はしなかったらしい。
私と同じ世代の友人からメールが来た。今回の東京オリンピックに反対だという。彼が言うには、国際オリンピック委員会、IOCというのは、国際連合とか、WHOとかのような、公の国際的機関と思ったら大間違い。私的な、「イベント業者」だというのだ。業者だから、とうぜん金儲け第一主義である。
だから、IOCは、なにがなんでも、東京オリンピックを開催したい。菅さんも小池さんも、うまくイベント屋さんに、のせられているということらしい。困ったことである。
私の同世代の人から話を聞くと、菅さんのように、昔のオリンピックを見て感動したという人は、あまりいない。「感動した!」というのは、菅さんの個人的な感想である。
よく、サプリメントの広告にあるのだが、効果を宣伝して、そのあと、「これは個人的な感想です」とつけ加える。菅さんも、これと同じよう言ってほしい。