「ヒ素を使う生命体」の論文に関する記事が、ヤフーニュースに載っていた。2010年に生命の常識を覆す発見として発表された論文が、15年の論争を経てサイエンス誌から正式に撤回されたというのだ。
 2000年代の末に、NASAの支援を受けた研究チームが、カリフォルニア州モノ湖で、ヒ素をリンの代わりに利用して成長するバクテリアを発見したと発表した。
 リンはDNAやATPなど生命の基本物質を構成する元素だ。リンを使わずに生命活動を行う異端の生命体の発見は、大きなセンセーションを巻き起こした。
 しかしたくさんの反論コメントが寄せられ、多くの専門家は疑問を呈した。
 そして、2012年に発表された追試実験では、このバクテリアはヒ素に耐性があるけれど、リンの代わりにヒ素を使って生きているわけではないと結論付けられた。
 この記事では、意図的な不正でなければ、大胆な仮説は科学の進歩に寄与すると結んでいる。 私も同感だ。
 ちなみに、ヒ素はミステリーにもよく登場する毒物だ。アガサ・クリスティの作品にもあったと思うけれど思い出せない・・・クリスティ女史は、毒物にすごく詳しい。

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です